|

客員の句
古里デハ吐息ガ夜ヲツナイデイタ
対話続けよ しんと両眼ひらき
例えばこの時代無差別殺人があった
いつわりの言葉は素描の前に
断
て
どの地図にもない街 風船豪華 |
近木 圭之介 |
|
かくれて飼う子猫 ばれても子猫
朝寝して立春
菜の花が唄う 声の出ぬ夢
炉端話で眠る
雪降る日 埋れた私を見る |
佐伯虎杖 |
誌友
| 郭公が鳴き止む 風が急に話しはじめる |
石田冨美子 |
|
| うらより参る水音の倖せ |
浦川よしえ(雅粋) |
|
| 春が過ぎ、夏も来たけど、人間ぎらい |
江村博定 |
|
| 小手毬
あやめにぎやかに古稀が来た |
大村七生 |
|
| 温野菜ビタミンABC爪すぐのびる |
大村久子 |
|
| 遠くに病妻 寝台車夜明けて来る |
川村朗生 |
|
| 禁を犯し
野良猫
に餌をやる老婆の孤独 |
澁谷節子 |
|
| ヌッと太陽 寝顔をぬすまれる窓 |
清水八重子 |
|
| 人には死があり ものには無がある |
末山修司 |
|
| 柚子の球は小さく残る暑さ |
田中尚代 |
|
| 食べるだけの米ひとつぶひとつぶ |
田中勇美子 |
|
| 朝露ふんで句碑に手をあわす |
種田信子 |
|
| 晩年に向う途中の炎天 |
田村満智子 |
|
| 西京の姫山伝説 恐怖の驟雨来て |
中島白灯 |
|
| 晩成という言葉いつしかボタ山に |
藤田踏青 |
|
| 泡立つように生きビー玉に百景を取り込む |
藤本経子 |
|
| 友とのわかれ蝶にあそぶ詩ごころ |
安田阿佐子 |
|
| お代はいらぬと言うからただ感謝光・水・空気 |
吉次泰雄 |
群妙壇(自選句)
せりなずなさらりと肩の力抜く
菜の花でつながっているおじいさんの家
紫蘇の実しごく生きてつまずくことばかり
胡瓜もむ母のすべてがやわらかい
夕焼の深いところに梅漬ける
悲しみは背中にたまる遠ひぐらし
この世からはみ出しそうで粥すする
淋しさは一直線にくる水すまし
遠ひぐらしふところという闇もある
鳥になる十二月八日の紙ヒコーキ |
棚橋麗未 |
|
|